マスターシリンダー変更

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関連項目
フロントブレーキ強化その1
フロントブレーキ強化その2
フロントブレーキ強化その3
 
 
 
わたしがランナーと共に所有してるヤマハGrandAxis100にも TOKICO4pot、bremboφ13Masterが入れてありまして、 この組み合わせは実用上は十分なんですが、もう少しカチッとしたタッチが好みなので、 マスターシリンダーの容量アップは必須と考えてました。
 
タッチ向上のため今度はNISSINが欲しい

φ13では足りないっぽい

MonoBlockはTOKICOに較べてデカイ

じゃ、φ16ぅ〜う?
 
 
 
という単純思考(というかほとんど思考停止状態)でNISSINのφ5/8(15.8)マスターシリンダーキット (DAYTONA)を買ってきたんですが、この思考停止のために後にマスターシリンダーを買いなおすハメに....
 
 
もっとも当初、第一次改造ではマスターシリンダーは純正で組み上げる予定だったんです。 なんでかって言うと....
1).MonoBlockはガタイがデカイだけで実はピストン径はTOKICOより小さいことが判明
2).Gアクがφ13+TOKICOで普通に制動ができてるのでMonoBlockは純正φ12.7で十分かも
3).マスターシリンダーを変更するとミラーの取付を考え直す必要がある
等などのことが分かってきたからなんです。
 
ところが、「取り敢えずどんな風に付くのか見てみたいからぁ....」なんて車体に当ててみたが最後、 「あぁ、ここが当るんかぁ、ちょっと切ってみるかなぁ....」ってオイやめとけよ!




(中略)






気がつくとアッパーカウルが付けられるくらいまで干渉部が削り取られて、 「アレ?ニップルのネジピッチ間違えてるジャン」とかいって ブレーキアダプターというSUSニップルを買いにNap'sに走ってる始末。 イヤ、ソコ間違えじゃなくて最初は純正マスター組むつもりだったからでしょ。
 
で、結局ほぼ1日でミラーホルダーを含むマスターシリンダーのフィッティング変更を完了して 「やればできるんじゃぁーん」とか言ってるの、モウミテランナイ。
 
とは言え最終的にはNISSINマスター(たぶんφ12.7)を付けることになると思うので、 どんな感じで付けたのか報告までは。
 
 
 

アッパーカウル切除

「こんなものかなぁ」とマジックでマークしながらホットナイフでジジジジと切って 切断面をヤスリで整えていきます。
切っちゃぁ当てて、当てちゃぁ切っての繰り返しで....

最終的にはこのくらい無くなっちゃいました。
下面の穴はレバーピボットの固定ナットをかわすためにあけたものですが、 もうちょっと前のほうが良かったようです。
 
 
 

ミラーホルダー

以前からmanabuさんのページ でPOSHのミラーホルダーが使えるらしいという報告があったので、わたしも買って持ってました。 そのまま付けるとマスターの側面に当って横方向が不足なのでミラーホルダーのほうを削りました。

最初は誰でも再現が可能なようにと弓ノコとヤスリで作業を始めたんですが、 3分ほどであっさり断念してフライスで削りました。

ミラー取付部の上面も左に較べて実測で2.5mm高かったのでその分カット。
最初から落ち付いて切除寸法を決めて行けばもう少し美しく仕上ったと思います。

これでミラー穴とカウルの穴のセンターが大体合います。
 
そんな事より
>>1 よ、ちょいと聞いてくれよ  

純正のほうがズレてんだよ。
 
 
 

フルードタンク取り付け

先のmanabuさんちの報告ではランナー本来のシルエットを重視して、 アッパーカウルの中にタンクを収めてますが、 わたしはツノとかヤリとか色々出てるのが好きなので、 タンクはドカーンとメーターパネルの脇に設置することにしました。

取付ステーの製作はしばらく悩んだんですが、 「あ、そういえばキットに入ってたな」と。
先っぽを切ってヤスリで整形。

ボルト/ナットで固定、 ホースが通る穴もホットナイフでテキトーにあけました。
 
 
 

ブレーキライン

ちょうどその頃、キャリパーサポートも出来あがったので(→ フロントブレーキ強化その3 )実際にフルードを注入してブレーキラインを組み上げました。
ホースはACTIVE/GOODRIDGEの“build a line”シリーズの1260mm(ランナーの純正ホースが1250くらい)、 マスターシリンダーへの接続はブレーキアダプタという両ネジのニップルでピッチ1.25のもの、 純正マスターを使用する場合はピッチ1.0のものを使って接続します。
 
 
 

ランプスイッチ配線

ランナーのハーネスから出ているスイッチ配線の端子は一般的なファストンか何かだったかの端子なんですが、 NISSINのマスターのスイッチから出ている端子は微妙に大きくて入りません。
 
パーツショップにコレ用の端子とか売ってそうですが、 手持ちにランナーの純正ハーネスと互換性のある端子があったので、 NISSINのスイッチユニットにこの端子をハンダ付けして使うことにしました。
 
今考えるとNISSINのスイッチユニットの端子をヤスリか何かで幅詰めてやればよかったンちゃう? という気がします。
 

端子の要らない部分をニッパーで切って....

スイッチユニットの端子板にハンダ付けと....

最後に熱収縮チューブで養生して終わり。
 
 
 

見た目は完成

そう、ここまでは1日くらいで何とかなるんです。 問題はブレーキシステムとして使えるかどうかなんですが....
 
 

さぁー盛り上がって参りました、ここからが本題です。

 
 

マスターシリンダー径、選定失敗

フルードを入れ終わってエア抜きのために握り込んでパッドがディスクに当ると 「なんじゃ、こりゃぁ〜!」。握り始めから5mmでレバーが止まってしまいます。
わたしの場合最初のフルード注入はキャリパーのエア抜きニップルから行ってるので、 エアの初期混入は少ないはずですが、実質的にはエア抜きしてないにもかかわらず既にガッチガチ。
 
やってもたぁ〜、という予感がします。
 
というのも、導入部で書いた通り、 「実はノーマルマスターで十分なのでは?」、 「Gアクがbremboφ13でフニャフニャだったのはマスター容量不足ではなくてOEMマスターの仕様なのでは?」 等など数々の疑念が出てきていたので、このガチガチ感を実際に手に感じて疑念は確信に変わったのでした。
 
そしてこの時点でようやく“最初はノーマルマスターで様子を見る予定だった”ことを思い出して、 激しい自己嫌悪に駆られるオレなのでした。
 
 

最初からやれよ・数値検討

油圧ディスクブレーキというくらいですから、油圧装置なんです。
入力装置であるマスターシリンダーの容量と出力装置であるキャリパー(スレイブピストン)の 容量のバランス(油圧レシオ)である程度ブレーキシステムの性格が予想できます。
 
まさに「出来るんなら最初からやれよなぁ〜(T^T)」なんですが、 実際に壁にブチ当らないとなかなか....面倒ですから....
 
 
 
マスターシリンダー/スレイブピストンの面積比による油圧レシオ表
車種マスター(mm^2)スレイブ(mm^2)油圧レシオインプレッション
G-Axis純正φ11
=95
純正片押し1pot
φ30=707
1:7.44
(1:14.88)
ゼンゼン効かない
命の危険を感じる
NISSIN片押し2pot
φ27×2=1145
1:12.05
(1:24.1)
ちゃんと使えてる
TOKICO4pot
φ30×4=2826
1:29.75効きはサスガだけど
ストローク多すぎ
bremboφ13
=133
1:21.25タッチがイマイチ
万人向けと言えなくもない
RUNNER純正φ12.7
=127
純正片押し2pot
φ25.4×2=1013
1:7.98
(1:15.96)
特に可もなく不可もなく
マロフォーク付属Grimeca4pot
ピストン径不明
ちゃんと使えてる
MonoBlock4pot
φ30×2+φ27×2=2558
1:20.14
NISSINφ15.8
=196
1:13.05ガチンガチンで使い物にならない
NISSINφ14
=154
1:16.61
NISSINφ12.7
=127
1:20.14
R1とか φ16くらい?
=201
MonoBlock4pot×2
2558×2=5116
1:25.45これか?これが黄金比なのか?
 
 
 
手持ちパーツの実測とか、キャリパーサポート製作の時に預かって採寸して持ってたデータです。
使ったことがあったり知り合いが使ってるものはインプレを入れました。
 
 
ここで片押しキャリパーの油圧レシオがカッコ付きで倍の値が入れてありますが、 この表をまとめていて片押しキャリパーの油圧装置としての機能がようやく理解できたからなんです。
 
片押しキャリパーって対向potキャリパーに較べてピストンが少ないので性能が劣るような気がしますが、 キャリパー本体がフローティング構造になっていて、ちゃんとディスクを挟むようになってます。
つまり、ディスクを片方から押しているように見えますが、 キャリパーを反対側に押すことによってディスクを挟んでいるので、 「両開き」の油圧シリンダーを使っているのと同じことになるんです。
両開きの油圧シリンダーということはpot数はたとえ2であってもピストンは4つあるのと同じことなので、 片押しキャリパーの油圧レシオはスレイブ側の値を倍とすることで、 他のキャリパーの油圧レシオと同列で考えることができる、と。
ランナー用のφ36マロッシフォークにグリメカの4potがついてきますが、 マスターを変更しなくても普通に使えてるようです。 これはつまりランナーの純正片押し2potが油圧レシオでは4potと同等であったから、 マスター変更無しに2pot→4pot化できた、ということなんでしょう。
 
では対向potキャリパーのメリットとは?
ズバリ、キャリパーをフローティングさせずにフォークに直止めすることによる剛性アップでしょう。
対向potの半分のピストンで対向potと同じ油圧力を発生する片押しキャリパーはコストも安く上がりますし、 ピストンがない側の体積が小さいので取り付けに余裕がない小形車両では重宝します。
反面、キャリパーを2本のスライドピンで支えてるので車重や出力が増えてくると、 ブレーキング時にキャリパーがヨレたりしてしまうので、 そこから上は剛性の高い対抗potキャリパーが性能的に優位になる、ということかと。
 
 
 
さて、表を見てみると
・Gアク純正マスター+NISSIN片押し2pot
・bremboφ13+TOKICO4pot
・R1にφ16マスター+MonoBlock4pot×2
が20から25と値が接近してます。「bremboはタッチがイマイチ」としてありますが、 値が接近してるのにbremboだけイマイチというのはやはりOEMマスターの仕様であると考えるのが妥当でしょう。
 
レシオが29もあるGアク純正マスター+TOKICOはブレーキが効ききる前にレバーで指をつぶしちゃう (わたしは人差し指と中指でブレーキ掛けるので)のでストローク過多。(それでも街乗りできるくらい効く)
 
油圧レシオを下げるとスレイブに発生する圧力が小さくなるので、 ディスク挟み付け力は小さくなりますがスレイブ(キャリパー)ピストンの戻り量が多くなるので、 パッドの引き摺りが減って高燃費/パッドが長寿命。
NISSINφ15.8マスター+MonoBlockはレシオが最低の13ですが、 マスターが本来の位置まで動いてないのでパッドが戻らなくて、 ホイールを空回りさせると「ガサーッ」とかすごい引き摺り音がします。
 
レシオを20〜25の間にもっていくと良さそうです。
デイトナのマスターキットの効能書きに「大型車の場合油圧レシオを29〜35:1の間に....」とありますが、 大型車の場合車重があってディスクを挟みつける力が必要なのでレシオを高めにする必要があるんでしょう。 大型車はこの挟み付け力を受けるためのディスクが厚めです。
 
もうお分かりですよね、マスターは変更しなくて良かったんです。
MonoBlockに純正φ12.7マスターなら油圧レシオが20.14、 今まで普通に使えてたGアクのブレーキに近い数値で、 若干レシオが下がるということは若干タッチ改善方向に向かうということなので好都合じゃないですか。
 
 
デイトナのキットを開けると取説が出てきますが、 「デイトナ・NISSIN6potキャリパーはダブルディスクは5/8、シングルは1/2が標準設定です」と書かれてます。 6potのピストン径が分からないので何とも言えませんが、 「1/2が標準です」とか言われても根拠がはっきりしないと信用できないので、 結局自分で痛い目を見るまで突っ走ってしまうんです。損な星回りの下に生まれたもんだと思いますよ。
 
 
 

NISSIN、φ12.7

ブレーキの動きがイマイチなのはマスターシリンダーのせいだと思って、 NISSINのφ12.7マスター(ショートレバー付き)買ってきました。
ところが、これを付けてみてもタッチに若干の変化は見られますが、 ディスクの引き摺りは解消しません。
 
 

GIRELA純正φ12.7

ちょうどハイスロの試作のために純正マスターを取付けて見る必要が出たので、 ブレーキラインも繋ぎ直して純正マスターでの動きを見てみました。
ところが、これもダメ。
 
マスターじゃないとするとキャリパー?
 
 

キャリパーオーバーホール

そういえばこのキャリパーって貰い物で、 1年近く放置してあったんです。 しかも貰う前どのくらい放置されてたか分からないし....
 
というワケでキャリパーのオイルシールを新品に交換することにしました。
キャリパーシールキット:3MA-W0047-10、\1,848
キャリパーシールキット:3GM-W0047-10、\1,953
この2点を買ってくるとモノブロックキャリパー1個ぶんのシールが揃います。
 
 
で、ディスクの引き摺り解消。
もしかしてここまで直した状態なら5/8でもちゃんと動くのかもしれませんが....

最終的に

せっかくマスター2個(泣)も買ったのに、純正じゃもったいないですから、 φ12.7ショートレバー付を組みました。
 
高速から制動を掛けると2本指に「ピュルルルル〜」とディスクの感触が伝わってきます。
引き摺りも異音もなく、押し歩きも軽く良いブレーキとなりました。
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