センタープラグ化ヘッドカバー

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グランドアクシスの改造で、 シリンダーヘッドを面研したり、燃焼室の形状を変更したりして、 ヘッド容量や燃焼室形状が実際の走りに大きく影響してくることを実感しました。
 
当然のことながらこのランナーも色々ヘッドの改造をやりたいところなんですが....

この通りセンタープラグじゃないので、面研くらいはできるかもしれないけど、 燃焼室の形状変更はわたしの技術/機材では不可能です。
 
 
センタープラグ化してしまえば旋盤などで燃焼室を色々作れるのですが、 ランナーのヘッドをセンタープラグ化するには ヘッドカバーの穴も併せてセンターに移動しなければなりません。
 
イギリスのPM Tuning社からセンタープラグのヘッドブロックとヘッドカバーのセット( →PM997) が販売されているのですが、現地価格で2万円くらい。
知り合いが行き付けの店で輸入代行の見積をとったところセットで6万だとか....
 
上記セットの半球形燃焼室もナカナカ良さげなんだけど、 「○○のキットをポン付けしました」じゃ自分で考えることが少なすぎて面白くないし、 ヘッドカバーのほうしか使わないとなると2万でも高すぎ....
 
人がやらないこととか、今まであまり聞いたことがないことをやってみたかったので、 GILERAの純正125ccヘッドカバーとマロッシのヘッドブロックを加工して、 センタープラグのオリジナルヘッド構成を考えてみることにしました。
 
 
 

基本構造

 
 
組立状態はこんな感じ

ヘッドカバー加工

 
ヘッドカバー/ヘッドブロックを加工するために専用治具を作りました。
仮想のプラグセンターを中心にして、カバーとブロックを回転させることができます。
 

カバー裏面切削の様子

カバー上面の切削

削り終わったカバー
 
 
 

カバー穴の内径調整用アルミスリーブ
 
 
 

エポキシ系接着剤にてスリーブをヘッドカバーに接着
 
 
 
スリーブを接着して出来あがったヘッドカバーは予想以上に頑丈なものになりました。
基本構成を考えた当時はリブを除去して強度が下がったカバーが運転中の水圧に耐えられるかどうか分からなかったので、 シリンダヘッド組立時に水圧によるカバーの膨張を押さえる要素を設けようと考えてましたが、 出来あがったヘッドカバーを実際に手にとってみると、カバーが破壊するような水圧が発生するとしたら、 カバーが破裂する前にパッキンのほうがブローすると思われます。
 
心配しすぎて構造を複雑化するより、まずは単純な構成で実走してみることにしました。
 
 
 
 
 

水漏れ発生

 
運用開始から40km走行したあたりで、冷却水が焦げるイヤなニオイが発生していました。
ヘッドカバーを見るとプラグの周囲から緑色の冷却水が垂れていて、 走行中(高圧状態)では吹出した冷却水がマフラーエキパイに掛かって、 これが焦げてニオイが出ているようでした。
 

バラしてビックリ。
接着時は透明だったエポキシがエチレングリコールを吸って(?)緑色に変色して、 接着部が完全に剥離していました。
 
エポキシはどうも水には弱いみたい。 特に冷却水は運転中は高温/高圧、 樹脂が水を吸って接着が剥がれてしまうようです。
 

接着剤が使えないので機械的結合方式に変更。
上下分割のスリーブでヘッドカバーとパッキンを挟んで、 M3のボルト6本で与圧することにしました。

なんだコッチのほうがカッコイイじゃん。
カバーの裏面にはパッキンが当るので地ならしの加工も要らないし。
 
この変更から4ヶ月、1,600km走行しましたが、水漏れやボルトの緩みなどの発生はありません。 センタープラグ化ヘッドカバーはこれにて完成と考えて良いかと思います。
 
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