リードバルブ大型化

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こんなんでよく180ccのエンジンが動くものだと感心するくらい小さっ!
 
ランナー購入の前から色んな人に「リードバルブ小さいっ!これが最大のネック!」と 念仏のように言われ続けてきたので、何は置いてもまずはリードバルブから手をつけることにしました。
 
ケース側から見るとそれほどでもないように見えるけど....

インレット側から見るとそれこそチロルチョコも入んないくらい小さい。
0.8チロルといったところか。
 
 

リードバルブAssyの選定

リードバルブAssyまで自作するのは現実的ではないし、 リードバルブポートに合わせて自作しても大して大型化はできないので、 国産2st車のリードバルブAssyを使うことにして、それに合わせてクランクケースを加工することにします。

WINGSHOP、YSPでテキトーに買ってきてポートにガチガチ当てて検討してみました。
 
 
 
NSR250用

縦(コンロッドと平行)にして取り付ける場合
 
バルブポート側面を若干切削、後ろ側の壁を撤去して取り付けることになる。 バルブポート側面の加工量は少ないものの、 バルブ直下にケース組み立てボルトが貫通するので、 6枚のリードのうち2枚はほとんど機能しない
横(クランク軸と平行)にして取り付ける場合
 
バルブポート全周の壁を撤去しないとこの横幅を収めることはできない。
サスガに全周カットすると強度が心配。
またバルブポートからピストン直下への流路の横幅はシリンダスタッドの間隔によって規制されてしまうため、 いくらバルブの幅がひろがっても有効な流路断面積は6枚のうちの4枚分くらいしか確保できない。
CRM250用

デカ杉。論外。
NSR50用

小さ杉。萌えない。
ランナーの純正よりはデカい。
TZM50用

縦にして取り付ける場合
 
バルブポート側面と後ろ側の壁を若干切削して取り付けることになる。 クランクケースの加工は最も少なくて済む。
横にして取り付ける場合
 
バルブポート側面を大幅に切削する必要がある。
 
 
結局、Gアクを始めとするヤマハ横型エンジン用ビッグリードとして実績のあった (→参照はこちら) TZM用が一番現実的である、 という結論に落ち付きました。

チロルチョコも余裕で2ヶ収納することができます。
流路面積2.5チロル確保っ!
 
 
で、これをランナーの純正リードと同じように縦に仕込むのは誰でも考えると思うので、 前人未到を目指して横にしてブッ込むことにしました。
 
ナゼ横型配置にこだわったのか?
縦型リードって吸気ポートがリードのド背面になってしまうので、吸気ポートに対する充填効率が悪いのでは?
横型ならリードが開いた隙間から混合気が吸気ポートに直行できるじゃんよ。
一般的なケースリードのエンジンがリードバルブを横型に配置してるのは、 そんな理由によるのじゃないかと想像したからなんです。
 
 

リードバルブポート拡大加工

 
こういうことをやるときはケースを割ってクランクを摘出してからやるものなので、 わたしも当初はケースを割る計画でした。
 
で、ケースの割り方を参照しようと manabuさんのページ を見に行ったところ、 異様な形状のクランクベアリングが写ってる画像がありました。
どうもランナーのクランクベアリングはJIS/ISOの規格品ではなくてGILERA仕様の特殊品のようです。 国産のエンジンでもこんなベアリング(外輪が異様にブ厚い)を見たことがあるので、 国産車のベアリングで使えるのがあるかもしれません。
 
ケースを割ったらクランクベアリングをNSKかどこかの国産品に入れ替えたかったのですが、 国産ベアリングが使えないとわかるとケースを割る気が失せました。
 
「切り粉がベアリングに侵入しなきゃエエヤろ」、ということで

ガムテでクランクをシールしてリューターでゴリゴリーっと。
 
「側面の肉、ギリギリ残ってくれれば良いな」と思いながら削ったものの....
 

バッコリと大穴あいちゃいました。
 
 
あいた穴はエポキシパテで埋めます。
ダイジョーブかって?知りません。

加工途中の様子。
 
右側を見るとどこらへんが無くなったのか分かると思います。
 

おおまかな加工とパテ埋めが終わったところ。
真四角な吸気流路に萌え萌え。
 

リードブロックが吸気流路中心を真っ直ぐ狙うように角度を付けたので、 浮いたスペースもパテを盛ります。
 
 
夢中で作業してたので途中の画像がありませんが、 接着性が高まるようパテを付ける面にゴルフボールのディンプルのような窪みを付けたり、 ケースの左右を2mmのシャフトで貫通して、そのシャフトにパテを盛ったりと、 パテの剥離防止になるよう色々考えつつ作業を行いました。
 
 

仕上

エポキシパテをケース内部に使用して心配なのは、内部で発生する熱や一次圧縮圧もモチロンですが、 ガソリンの浸潤による接着面の侵食。
ヤスリやリューターで削ったパテの表面は陶芸の土みたいに液体が染み込みます。 先に紹介したGアク用リードブロックでリードスタッファーをやはりエポキシパテで作りまして、 これに今だ破壊や侵食がないので心配しすぎなのかもしれませんが、 今度は一次圧縮室の中なので念には念をいれておきました。

 
 

削りあがったバルブポートの表面にエポキシ系接着剤を塗布。
パテの表面やケースのアルミとの接着部にガソリンが浸潤するのを防ぎます。 逆にパテとケースの接着が剥がれた時の保持力までは期待できないと思います。
 

ネチョネチョの塗りたてみたいに見えますが硬化完了状態です。
 

 
 
 

リードブロックアダプタ

リードブロックを吸気流路中心に向けたので、リードバルブポートベースとリードブロックベースの角度が合いません。
この斜めの隙間を埋めて、マニホを取り付けるネジ穴を持たせたリードブロックアダプタを作ります。
 
 

アダプタはM6の極低頭ボルトでバルブポートに取付、 一度付けてしまえば頻繁に外すこともないので液ガスでシールしておきます。
 

アダプタの上にリードブロックを乗せます。
マニホも作らなきゃならないのですが、車体やキャブとの兼ね合いもあるので後日。
 
 
 

リード取付けボルト

 
リードブロックアダプタ内側とリードブロックとのクリアランスはギリギリ。
TZM純正リードブロックに付属してくるネジでリードを組み付けると リードブロックが奥まで入りません。
 

リードストッパーの穴を皿加工して皿ネジを使う人もいますが、 皿ネジって緩みやすいしカッコ悪いので、 わたしの場合は“ヘクサロビュラ穴付き超極低頭ボルト ” (→購入先) を使っています。
 
専用レンチも必要になりますが、しっかり締め付けられて頭の出っ張りも低いので、 グランドアクシスのリード組立てもこのボルトを使っています。
 
 
 
 

完成

リードブロックアダプタをレッドアルマイト処理してきました。
 
元はリードバルブ脇にあった燃料ポンプ駆動圧取出しニップルはリードブロックアダプタ前面に移動としました。
 
リードブロックアダプタ:03110601
ニップル:02062903_06
 
 

 
 
 

手直し

車両運用開始後しばらく走っていると、クランクケースがガソリンで湿ってました。
 
マニホを揺すってみるとリードブロックアダプタごとズリッと動きます。 液状ガスケットってシリコンなので、硬化後もけっこうグニグニなんですが、 エンジン運転時の振動が加わるとアダプタ取付けボルトの軸力を支えることができなくて、 ボルトが緩んでしまったようです。
 
 

液ガスは除去、 アダプタ底面の形状に合わせて紙ガスケットをカットしてケースとの間に挟みました。
 
アダプタとケースとの合わせ面からのガス漏れは解消。 1,600km走行後もアダプタはしっかり固定されています。
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